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2012/11/14

太陽と月

ワタシのアポロンとアルテミスは
ステイヌだった。

Dcim0428

正確には
夜逃げした人が
家財道具ごと
住んでいたマンションに
放置した犬たちだ。
大家さんに見つけてもらった時は
およそ10日くらい放置されていて
糞尿まみれで
ひどく栄養失調(オスの方が)で
深刻な脱水状態(オスもメスも)に陥っていたらしい。
もうちょっと放っておかれたら
きっと餓死していたんだろう。

こんな風に書くと
大変哀れなカンジなんだけど、
救いというかなんというか、
この子たちはヒドイ目にあったわりには
なぜかヒトが大好きで
ヒトを信頼していて
イタリアングレイハウンド
という犬種ならではのシャイな部分はあんまり感じられない。
うちに来るどんなお客さんにも
スキンシップをねだり
ダッコしてもらいたいって全身で表現する。
フツウ、捨てられたりすると
人間不信な犬になるような気がするのだけれど。

この子たちを観ていて思う。
ヒトという動物に対して幻滅するような経験が
ヒトという動物を嫌いになるような経験が
ヒトという動物に恐怖を覚えるような経験が
今まで一度もなかったのだろうか。

この子たちにとって
大好きな人が帰ってこないことは
確かに大きな痛手だったかもしれないくて、
なぜならば分離不安はひどくて
そこにいるはずのワタシの姿が見えなかったりすると
ひどく泣き続けることが今でも頻回で
二匹とも年齢の割には白髪がたくさんあったりするのだが、
ニンゲン全般への信頼を崩すほどひどいことを
置いて行かれるということ以外に
経験したことがないのかもしれない。
実は置いていかれる直前まで
大変可愛がられて育てられたのではないかと
つい思ってしまう。

迎えに行った日に
初めて逢ったワタシをすんなりと受け入れてくれて
すぐに名前を覚えてくれたこの二匹は
前の飼い主とどんな暮らしをしていたんだろうか。

こんなにヒトを信頼しているのであれば
今までヒトに大変大事に育てられてきたんじゃないだろうか。
置いて行かれるなんて
晴天の霹靂だったんじゃないだろうか。

おしっこシートを理解していて
ハウスを理解していて
マテもオテもできて
ヒールも知っていて
おさんぽという言葉を知っていて
お布団の温かさ、ヒトと一緒に寝る気持ち良さを
知っているこの子たちは
愛されて暮らしていたんじゃなかろうか。

夜逃げした人については、
捨てたという行為そのものに対して
大変無責任だと憤りを感じる。

だけど、そこに至るまで何があったんだろう、
実はやむにやまれず
連れていけなかった事情があったんじゃないか、
そんな事情、
田舎零細ハング屋の我が家にも起きるかもしれない、
夜逃げするとき、
自分は人間以外の家族を連れていける程
「立派」な人間なんだろうか、
と妄想すると、
なんだか他人ごとじゃない気分になって
元飼い主になんだか妙な同情心と親近感も沸いてしまって
心がざわついてしまう。

ワタシの暮らしだってその日暮らし的だ。
明日何が起きるかわからない。
うちも夜逃げしなくちゃいけなくなるくらいに
苦しくなる日も来るかもしれない。

でも。

そんなことになってしまってはいけない。
命を預かるには責任があるのだ。
野垂れ死にするような自分であれば
家族を持つことは否。
動物を飼うことだって許されない。

アポロンとアルテミスを引き取ったのは
去年の今日。
朝太陽が空を上り
夜月が地上を照らすような
いつも通りのカワラナイ日常がめぐって一年経った。

これからも
どんなことがあっても
強く立ち
強く生きて生活していかなくてはならない
責任が
ワタシにはある。
夫ともに子どもを犬を、小さな家族を守り、
家族みんながシアワセでなくてはならないと、
覚悟を、
彼らを前に、
改めて誓うのだ。

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